測る

DIYおすすめ工具集!DIYの基本、測る為の工具「さしがね」の使い方

DIYを楽しんでいる方のほとんどが持っている「さしがね」

材料をカットするための直角を引くために使っていると思いますが、実は他にも沢山おすすめの使い方があるんです!

さしがねは世界に誇れる素晴らしい実力を隠し持っています。

今回は「さしがね」の様々な使い方について超基本からプロでも知らないことまで解説していきます。

 

「さしがね」って何?

さしがねとはL型で出来た主に直角を引く為に使う道具です。昔から大工さんが使っていた工具で今もDIY愛好家は1人1本は必ず持っている工具です。

長い方を長手(ながて)、短い方を妻手(つまて)と言い、表と裏がありますが通常は表だけを使えば問題ありません。

尺表記とメートル表記がありますが、私的には尺表記がおすすめです。メートル表記ですと目盛りが細かすぎる為、慣れるまで大変ですが尺表記の方が作業がしやすいと思います。

大きさも色々ありますが一般的なサイズを使うと良いでしょう(尺:15まで表記のある物・メートル50と表記がある物)

使い方は様々あるので、1つずつ詳しく解説していきます。

 

直角を引く

まず、最も一般的な使い方。直角を引くために使います。

上記のようにさしがねと材料を重ねて使ってはいけません!

上記のようにしっかりと材料に引っ掛けて直角を引きます。さしがねの中央部を持ってしっかりと材料に当てましょう!

2方向の直角を引けば材料を直角にカットできます。

 

長さを測る

短い長さでしたらさしがねで寸法を引いたほうが簡単です。30cm以内くらいが目安ですね。

画像のように鉛筆の平らな部分を材料の小口に当てて、そこにさしがねを合わせるとプロっぽいです!

あとは測りたい寸法に線を引けばOKです!

 

45°の角度を引く

直角だけではなく45°の角度も引くことができます。画像のように材料の一辺に同じ数字(画像は3)を合わせて線を引けば45°になります。

45°にカットした材料を2つ合わせれば直角の組み立てることができます。直角にカットするより難易度が高いので是非チャレンジしてみてください!

30°と60°も出せるのですが正直使う場面がないのです。下記の通り1対√3の割合で材料に当てればできます。大体ですが5対8.6で合わせればいいでしょう。

 

割り切れない長さを等分する

割り切れない板を等分する時にも、さしがねは役に立ちます。

画像のように幅が9寸3分の板を5等分したい時に計算して1寸8分6厘ずつ線を引くのは細かすぎて無理です(笑)

そこで、さしがねを斜めに当てます。長さと10(1尺)にすると2寸ずつ分けられて簡単です。意外と便利なので使える機会があったら是非お試しを!

 

直角を調べる

材料が直角かを調べる時にも、さしがねはよく使います。画像のように材料に当ててチェックできます。左手でしっかりとさしがねを押さえないと正確にチェックできません。

もしチェックして直角でなかったら、カットし直します。

 

曲線を引く

さしがねは画像のように「しなる」ので曲線を引く際にも使うことがあります。

1人でやると大変なので誰かに手伝ってもらうといいでしょう。

 

上級編:プロの使い方

以上で基本的なさしがねの使い方は終わりますが、もう少し詳しく知りたい方のために、さらにマニアックな使い方を解説します。

完全にプロの大工の内容なのでDIYでは必要ない知識です。興味のない人は読まなくてもよい内容ですので、知りたい方だけ読み進めてください。

 

さしがねの歴史

さしがねを中国から持ち込み日本に広めたのはあの聖徳太子なんです!

大工の世界で神様的存在で、聖徳太子の祭事もあるくらいです。聖徳太子はさしがねを使って法隆寺を建造したといわれていますが、そんな昔から現在まで使われてる道具って他にあるでしょうかね?

さしがねって凄いアイテムなんです!

ここからはプロがさしがねをどう使っているかを解説していきます。

 

仕口を作る

現在、構造材の加工は「プレカット」と言って機械が加工してくれます。しかし、一部では現在でも手加工で構造材を作っている工務店もあります。

その際に仕口(組み立て部)を作るためにさしがねを使います。墨付けという工程です。

画像のような仕口を作るためのさしがねは必要不可欠です。

勾配(こうばい)を引く

海外では角度は〇°と表記しますが、日本は何寸勾配と表記します。

写真のように1尺(約30cm)進んで4寸(約12cm)上がる勾配を4寸勾配といいます。

勾配をで考える日本の建築にさしがねは必須のアイテムです。4寸勾配は写真のようにカットします。

カットした材料は屋根の部材として使われます。その他にもさしがねを使った勾配は沢山使われます。

規矩術(きくじゅつ)

最後は規矩術についてです。正直プロの大工でも規矩術を知っている人ってほとんどいません。

下図のように勾配を決めて三角形を書き、各寸法で様々な箇所の寸法が分かるようになっています。

正直、何のこっちゃと思うでしょうが、勾配さえ決めれば下記のような複雑な屋根も、さしがね1本あれば作れるって事です(技能試験優秀作品を参照)

詳しく説明すると分厚い辞典位くらいの情報になるので割愛しますが、とにかく「さしがね」って凄いってことです!

 

さしがねは世界に誇れる万能工具

以上でさしがねの使い方を終わります。

聖徳太子が持ち込んださしがねは世界に誇れる万能工具だと知ってもらえたと思います。

実際のDIYでは直角を出すだけの工具ですが、知識として覚えておいても損はないと思います。